NHK大河ドラマ『光る君へ』第37話にて新しいキャラクター双寿丸（そうじゅまる）が登場しました。
NHKの公式サイトではオリジナルキャラクターとして紹介されている双寿丸ですが、その登場の仕方、キャラクターから一部の視聴者からは「直秀の生まれ変わりでは？」「直秀の息子？」などといった投稿も。
今回はそんな双寿丸について「モデルになった実在の人物はいるのか？」、「双寿丸と直秀との共通点」、「双寿丸が物語に与える役割」など、双寿丸について深掘りしていきたいと思います。
双寿丸とは？
双寿丸（そうじゅまる）
賢子を盗人から救ったことで、その屋敷に出入りするようになり、まひろ（紫式部）とも知り合う。武者としての生き方に独自の考えを持っており、興味を持った賢子はひかれていく。
双寿丸は『光る君へ』の物語では孤児として育ち、教養はないが、裏表のない性格で、武芸に優れた若武者として描かれています。
賢子との関係は？
盗賊に襲われている賢子を双寿丸が救ったことがきっかけで、賢子やまひろ一家と親交を深めていきます。
孤児として育ち身寄りのなかった双寿丸は、まひろ一家と一緒にご飯を食べたりして初めて「家族のあたたかさ」に触れていきます。
賢子はそんな双寿丸に好意を寄せますが、双寿丸は賢子のことをかわいい妹のように思っているようです。
双寿丸の実在のモデルはいる？
NHKの公式ページで双寿丸はオリジナルキャラクターとして紹介されています。
似たようなオリジナルキャラクターとして物語の前半で登場した直秀がいますが、彼は藤原保輔という盗人がモデルとされています。
そこで双寿丸にもモデルになった実在の人物がいるのか検証していきたいと思います。
史実上、賢子と関わりがあった男性
賢子は母親の紫式部とは違い、恋多き女性だったと言われています。
そんな賢子と恋仲であった人物を見ていきたいと思います。
藤原兼隆（ふじわらのかねたか）
道長の兄である藤原道兼の息子の兼隆は賢子の最初の夫と言われていて、10代の頃に堅子と結婚をし、娘を授かりますが、その後離婚してしまいます。
藤原公信（ふじわらのきみのぶ）
また一説では賢子の夫は兼隆ではなく、藤原斉信の養子である藤原公信とも言われています。
高階成章
賢子の二番目の夫に東宮権大進などを務めた高階成章という人物がいます。二人の間にも高階為家という息子が生まれています。高階成章は上の二人とは違い、「太宰大弐」に任じられていたことで知られ、太宰府との関わりを持っていた人物で双寿丸とは少しリンクするところもあるようです。
ただし三人はいずれも貴族であり、出どころのわからない武者である双寿丸の実在のモデルとしては少し無理があるかもしれません。
双寿丸と直秀の共通点
視聴者からは「双寿丸は直秀の生まれ変わりなのでは？」
「双寿丸は直秀の子供？」などとの声もあり、直秀との共通点などが話題になっていました。
『光る君へ』で登場した架空の人物には主人公や主要キャラクター、物語を大きく動かす役割がありました。
直秀はまひろに物語を書くヒントを与えたり、道長にも民のために政治を行うことのきっかけを与えたり、二人に強く影響を与えた人物です。
直秀は散楽を通じて社会の矛盾を表現し、正義感の強い武者である双寿丸の登場で物語に新たな視点を加えている。
そして二人のキャラクターには「謎めいた存在」という共通点があります。
そんな双寿丸が堅子やまひろと親しくなるにつれ、その存在を直秀と重ねている人も多いのではないでしょうか。
双寿丸が与える物語の影響
それでは双寿丸が今後の物語にどのような影響を与えていくか考察していきたいと思います。
双寿丸の主君の平為賢（たいらのためかた）は後に北九州で起る「刀伊の入寇」の時に活躍する武者です。
刀伊の入寇（といのにゅうこう）
平安時代末期の1019年（寛仁3年）に、中国大陸北東部を拠点とする女真族（じょしん）の海賊が対馬・壱岐・北九州沿岸を襲撃した事件。平安時代最大の対外危機とされている。
後半の『光る君へ』での最大の見せ場になるであろう「刀伊の入寇」そこで活躍する平為賢のもとで双寿丸が活躍することにより、「刀伊の入寇」を堅子やまひろから遠く離れた単なる戦ではなく、その戦乱とまひろたちを結びつける役割になるのではないでしょうか。
双寿丸を演じる伊藤健太郎
表裏がない正義感が強い武者である双寿丸を演じるのは伊藤健太郎さんです。
伊藤健太郎（いとうけんたろう）
生年月日：1997年6月30日
出身：東京都
趣味：ロードバイク
事務所：トライストーン・エンタテイメント
14歳でモデルとしてキャリアをスタートさせ、ドラマ『昼顔〜平日午後３時の恋人たち〜』（ＣＸ／４）で俳優デビュー。以降、多くの話題作に出演。映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』では第47回日本アカデミー賞・優秀助演男優賞を受賞。
ＮＨＫには土曜時代ドラマ『アシガール』、『LIFE!SPドラマ 忍べ！右左エ門』などに出演。
2019年度後期の連続テレビ小説『スカーレット』で、戸田恵梨香さんが演じる主人公、川原喜美子の長男、川原武志役を務め、病気と闘いながらも陶芸に情熱を燃やす明るく優しい役柄を演じました。
まとめ
今回は『光る君へ』に新しく登場した双寿丸について考察していきました。
- 双寿丸はドラマオリジナルのキャラクターである
- 『光る君へ』で登場した架空の人物は主人公や主要キャラクター、物語を大きく動かす役割があり、双寿丸と直秀は「謎めいた存在」という共通点がある
- 双寿丸はドラマ後半の見せ場である「刀伊の入寇」で活躍することにより、賢子やまひろたちにとってもただの遠いところで怒っているたんなる戦ではなくその戦乱をまひろたちを結びつける役割になっているのでは
