高校生の卒業式の時に校長先生が卒業生たちに「旗を揚げる時が来た」と素晴らしいお言葉をいただいたのを覚えています。
18歳の私はなんとなくですがそれを理解し、これから来るであろう未来に不安と期待を胸に高校を卒業していきました。
そう、「旗を揚げる」って正確には一体どういう意味なんでしょうか?
そしてどういった由来でできたのでしょうか?
旗を揚げるとは?語源の由来とは?
何気ないときに「旗を揚げる」という言葉を耳にする時がありますが、そのしっかりとした意味はいったいどういう意味でしょう?
旗を揚げるとは?
「旗を揚げる」とは、目標達成や新たな段階の始まりを象徴的に迎える行為で、困難を乗り越え、勝利や成果を示す際に使われます。
これは喜びや誇りを表し、未来への意欲を示す象徴的な行動であり、努力の成果や新たな始まりに対する期待感を共有する言葉でもあります。
「旗を掲げる」とは、新しく事をおこすとき、物事を新規にはじめることを意味し、現在では独立して新しく事業を起す時などに使われることが多いようです。
由来と歴史的背景
由来は主に戦国時代の武将が、軍旗を高く掲げることで士気を高め、敵味方に大きな影響を与えたことにあります。
著名な例として、織田信雄・徳川家康連合軍が羽柴秀吉軍と対峙した小牧長久手の戦いで、徳川連合軍が小牧山の本陣に掲げられた「金扇」の馬印を見た羽柴軍の武将が「あれは家康自らが軍を率いて出撃した」と悟り、羽柴軍の軍勢が退いたという有名な話があります。
それからその金扇が掲げられた「色金山」のことを「御旗山」というようになりました。
これらの旗は戦場での勝利への意志を示し、部下たちやその敵に力強いメッセージを送りました。
どんな旗があるの?
現代で使われる「旗を揚げる」という意味合いの旗には先ほどから説明している何かを始める時にあげる旗以外にも、いろいろな種類があります。
反旗を揚げる
「反旗を揚げる」とは、権威や体制に対して反抗的な行動や異議を唱えることを指します。これは従来のやり方に異議を唱え、変革や抗議の意志を表す表現です。
具体的なフレーズ:
- 彼は不平等に抗議し、新しい改革を促進するために反旗を揚げました。
- 学生たちは権限に対して異議を唱え、平和的なデモで反旗を揚げました。
- 市民たちは環境問題に抗議し、持続可能な変化を求めて反旗を揚げています。
一旗あげる
「一旗揚げる」とは、目立った実績や成功を挙げることで、他者に対して存在感を示すことを指します。これは自分の能力や存在価値を示すために、意気込んで行動することを表現した言葉です。
具体的なフレーズ:
- 新商品の開発で市場に一旗揚げるつもりだ。
- チーム一丸となり、プロジェクトで一旗揚げることが目標だ。
- 今回のプレゼンで競合他社に対して一旗揚げるチャンスだ。
錦の御旗
「錦の御旗」とは、天皇の軍の旗のことで、錦旗(きんき)とも言われたりもします。
歴史的背景には日本において天皇および朝廷に敵対する勢力である「朝敵」討伐の時に揚げられていた旗のことで、さかのぼると鎌倉時代、承久の乱に登場します。
現代、会話の中で使われる意味としては、誰も反対できないように、自分の主張を正当化したり権威づけたりするために揚げられます。
似たような言葉だと大義名分みたいな言葉がわかりやすいでしょうか。
具体的なフレーズ:
- この改革は社長の意思であるという錦の御旗を揚げているから誰も反対できない
- 校長の決定という錦の御旗のもと、教育改革を行う
- 妻の命令という錦の御旗のもと、早退します(あってるのかな?)
まとめ
「旗を掲げる」とは言葉以上の強いメッセージを伝える象徴的な行為であり、その意味や影響は時代によって意味を変えて現代でも使われる言葉です。
これから旗をたくさん揚げるときが来るであろう子供達に「旗を揚げる」ということに聞かれても、しっかり答えられる大人になれたらよいですね。