『光る君へ』なぜ平安時代の貴族の女性はよく扇で顔を隠すのですか?

扇のサムネイル 大河ドラマ
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『光る君へ』を見ていると貴族の女性が扇で顔を隠しているのをよく見かけるのですが、なぜなんでしょうか?

「平安時代の女性は恥ずかしがり屋が多かった?」

それでは今回も大河ドラマを見ている時にふと思う疑問について深掘りしていきたいと思います。

平安貴族女子のイラスト

顔を隠す理由

平安時代の女性たちが扇や袖を使って顔を隠す独特の習慣は、当時の社会構造や価値観、美意識が複合的に影響し合った結果生まれたものであり、深い文化的背景があります。

優雅さと慎ましさによる美の表現

平安時代の貴族社会では、優雅で節度ある振る舞いが重要視されていました。

貴婦人たちは、その美しさや優雅さを保つために、控えめで慎ましい態度を取ることが期待されました。

また扇を使って顔を隠す行為は、女性が一部だけを見せ、一部を隠すことで、観察者に美の余白を感じさせ、魅力をより引き立てました。

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社会構造と結婚の政治的性格

また、平安時代の結婚は、しばしば政治的な同盟や家柄の維持といった側面を持っていました。

高貴な女性が他の男性に顔を見せないことは、家族や政治的な同盟関係に属する男性との適切な関係を保つための一環として採用されました。

扇を使って顔を隠すことは、外部の男性との直接的な交流を避け、女性を守るとともに、社会的な品位を維持するための手段と考えられました。

扇の歴史

扇のイラスト

補足ですが、平安時代は男性も女性も扇を常に持っていたようで、宮中の女性が持っていた扇のことは衵扇と呼ばれていました。

そのオリジナルは中国から輸入された「翳(さしば)」と言われる鳥の羽を張った団扇のようなもので、それが奈良時代に扇が発明されたようです。

まとめ

平安貴族のイラスト

平安時代の高貴な女性が扇を使って顔を隠す習慣は、美しさや優雅さの価値観、神秘性と控えめな美の演出、平安時代の社会構造や結婚の政治的性格が複合的に影響し合った結果だったのではないでしょうか。

平安時代の女性のその行為は美の表現であり、芸術的でありながらも、当時の女性の役割や美の理念を象徴し、女性を守りその地位を維持するものとなっていました。