昨今は民族間の争いから、国同士の大きな戦争に発展し、人々を不安にさせています。
そういった争いは歴史的・文化的な違いから発生し、領土、権力、宗教などが争点になり、差別、偏見、国家利益も影響し、平和構築が難しい課題です。
その解決の一歩としてまずその民族というものを理解する必要があるような気がします。
あなたはこの問に答えることができますか?
イスラム教以外のアラブ人はいますか? Yes or No
まずこの問に答えるためにはアラブ人という民族を理解する必要があります。
それではアラブ人について少し勉強していきましょう。
アラブ人とは
アラブ人とは元々はアラビア半島を中心に住み、アラビア語を母語として話す人々の文化的な類型をアラブ人と言います。
いくつかのテーマに分けて少し詳しく解説していきましょう。
言語と文化
アラブ人が話すアラビア語は彼らの共通の言語であり、国が変わると同じアラビア語でも方言のように少し変わります。
アラビア語には標準語とされるフスハー(標準アラビア語)と、口語とされるアーンミーヤ(通俗語)の2つの種類があります。
フスハーはアラブ圏であれば誰でも読み書きができますが、話し言葉ではないので、通常どこの国でも会話では使われません。
そして、アラブ人はアラビア語を話すだけでなく、アラビア文化や歴史に繋がりを持つこともアラブ人である条件とされます。
地理的背景
そしてアラブ人はアラビア半島を中心に中東と北アフリカ地域に広く分布していて、エジプト、サウジアラビア、イラク、モロッコ、レバノンなど様々な国々に居住しており、各国で異なる文化的な特徴を持っています。
地域の歴史的な変遷や植民地支配、戦争などがアラブ人の形成に影響を与えました。
宗教的背景
イスラム教はアラビア半島で預言者のムハンマドが天使を通じて神の啓示を授かったことをきっかけに布教がはじまったとされています。
そのため、アラブ人の多くはイスラム教を信仰しています。
多くのアラブ人は礼拝、断食、善行を実践し、メッカ巡礼が重要で文化的にはイスラムの価値観が反映され、アラブ世界は宗教と文化の結びつきが強いです。
宗教的にも多様なアラブ人
さて、アラブ人というものを少し理解した上で、
イスラム教以外のアラブ人はいますか? Yes or No
という質問を考えていきましょう。
もうお分かりかもしれませんが、答えはYesです。
アラブ人は宗教ではなく言語や文化的な共通性に基づいてグループ化されます。
アラブ人の多くが信仰するイスラム教以外の宗教の一つの例として、キリスト教を信仰するアラブ人が挙げられます。
具体的に3つの例を挙げてみたいと思います。
キリスト教のアラブ人:
- レバノン: レバノンは宗教的に多様な国で、キリスト教徒がアラブ人の中で大きな割合を占めています。
- シリア: シリアもキリスト教徒がアラブ人の中で存在感があり、人口の10%ほどが信仰されています。
- エジプト: エジプトにもキリスト教のアラブ人がいます。主にはキリスト教の一派のコプト教徒が多数派です。
アラブ人は宗教的にも多様性があるため、イスラム教徒だけでなく、キリスト教徒やその他の宗教を信仰するアラブ人も存在します。
まとめ
アラブ人は、アラビア語を共通の言語とし、アラビア文化や歴史に関連づいている人々を指します。
主にアラビア語圏で生まれ、アラビア語を母語として使用している人々が含まれます。
アラブ人は多様で、中東や北アフリカなど広範な地域に分布しています。
アラブ人のアイデンティティは言語的・文化的な側面だけでなく、宗教的な要素も影響します。
ほとんどのアラブ人はイスラム教徒であり、イスラムの価値観や慣習に影響を受けていますが、アラブ人には宗教的に多様な信仰を持つ人々もいます。
総じて、アラブ人は言語や文化的な共通性に基づいてグループ化され、同じ地域や歴史的背景を共有する人々を指します。